『ふまんがあります』ヨシタケシンスケ
主人公の女の子がお父さんに対して日頃の不満(主に大人に対しての)をぶつけ続け、それに対しお父さんが様々な理由(嘘)をつけてかわし続けます。
「子供の頃同じ事思ってた!」と同感できる子供目線での不満内容と、「これは良い嘘!使わせてもらおうかな(笑)」と大人になった自分も同感できる返しも面白いです。
また、これまで読んできたヨシタケシンスケさんの絵本だと主人公が“ぼく”という男の子のものが多かったですが、今回は主人公が女の子でお母さんは出てきません。
平日の日中は仕事で家にいないお父さんに、休みの日を狙って主人公が不満をぶつけにいった感じでしょうか?
それでは読み聞かせレビューです!
【読み聞かせにかかる時間】
□5分未満
□5分以上~10分未満
☑10分以上
ページ数:32P
【子供の反応】
4歳の息子には、作中のお父さんの返しが嘘だと分かっているのかどうか微妙なところのようです(苦笑)。
まぁどれも可愛い嘘なのでいずれ本当のことは分かると思いますし、とりあえず信じてもらった方が自分も楽かな?なんて少し思ってしまいました(笑)。
それにしても作中に出てくる大人に対しての不満はどれも心当たりがあるので、「そうだよそうだよ!」と同調して責められるかなとヒヤヒヤしながら読んでいましたがとりあえず大丈夫でした…
【おすすめキーワード】
・子供目線 ・子供の疑問 ・子供あるある ・親あるある
【学べることキーワード】
・子供から見た大人の世界 ・大人の都合 ・上手なウソ ・即興での上手い返し ・親子大喜利
【読み聞かせのポイント】
主人公が立て続けに大人への不満を直訴しますが、読み手としては直訴される側なので少し気まずいというか読みにくい部分もあります(苦笑)。
まぁどの不満に対しても作中のお父さんは色々な面白い嘘で応戦するので割り切って読んでいきましょう。
ある意味、大人がハラハラする絵本です(笑)。
【この本を読んで-大人の感想文-】
子供時代、自分も主人公と同じような不満を大人に対して持っていました。
しかし、いつしか「大人はズルいから仕方ない」「子供の頃、ああに言われたけど嘘だったんだな」と色々と分かるようになったのは今思えば反抗期だったのかなと。
そして自分も親になったら都合の悪いことに関しては自然と嘘をつくようになりました。
夢を持たせる意味でついている嘘もありますが、その場しのぎの嘘もあります。
この本でお父さんがつくような、後からバレても笑ってしまうような嘘をつこう!と変に心に誓いました(笑)。
ちなみにこの本は最後まで子供にやられっぱなしではなく、お父さんが反撃?に出て子供のズルいところを言います。
それに対しての返しが愛らしく、ほっこりするラストになっています♪
【購入情報】
作:ヨシタケシンスケ
出版社:PHP研究所
発行日:2015年10月