おとえほ(お父さん、絵本読んで)

一児の父が綴る絵本紹介ブログです。3~6歳向けの絵本中心です。

『ぼくのニセモノをつくるには』ヨシタケシンスケ

 

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主人公が宿題やお手伝いを代わりにやってもらおうとお手伝いロボットを購入するお話です。

 

自分・個性とは何かヨシタケシンスケさんらしくとことん子供目線で考えていきます。

 

相変わらず哲学的ですが、小さい子供(4歳)でも楽しめました♪

 

それでは読み聞かせレビューです!

 

【読み聞かせにかかる時間】

□5分未満

□5分以上~10分未満

☑10分以上

ページ数:32P

 

【子供の反応】

ぼく(主人公)のニセモノとしてロボットに動いてもらうために、「ぼくは〇〇〇(である)」と様々な切り口から自己分析を行いロボットに“ぼくというもの”を伝えようとします。

 

一見、深く難しいようにも見えますが読んでみるとどれも子供なら一度は考えそうなことばかり。

 

理解して共感できるところもあるようですし、分からなくても面白いイラストを見て爆笑したところもあります。

 

場面によって自分の立場が変わるというの読んで、息子は「家の中だとお父さんお母さんの子供」、「おじいちゃんおばあちゃん家に行けば孫」、「保育園で年下の学年といる時はお兄さん」と自分も場面によって変わっていることになんとなく気づいたようです。

 

口で説明するとそれこそ難しくなってしまいそうですが、絵本を読むことで自然と理解できるようになる本の力って凄いなぁと思いました。

 

【おすすめキーワード】

・自己分析 ・自己紹介 ・個性

 

【学べることキーワード】

・自分(個性)とは? ・自由に考えてみる ・色々な見方をしてみる ・個性のニセモノは作れない

 

【読み聞かせのポイント】

様々な切り口から自分を分析しようとしているので、それぞれの切り口ごとに区切ってじっくり読みましょう。

 

「これなら分かるでしょ!」と思ってもロボットには全くと言っていいほど伝わらないというところも重要なポイントです。

 

主人公が少し迷走ぎみになって、自分を色々なマシーン(機械)に例えてみるところなどはかなりウケます(笑)。

 

【この本を読んで-大人の感想文-】

自己紹介って特に小さい頃は苦手でしたね~。

 

自己紹介が得意っていう人は結構少ないんじゃないでしょうか?

 

「自分はこういう人です」っていうのを他人に伝える難しさはもちろん、得意なことを伝えるというのがなんとなく恥ずかしかったり…

 

他人に対して自分を分かってもらうというのは難しく、それこそ長く付き合っていかないとお互いのことは分からないと思います。

 

本作では、自己紹介をする相手が人間ではなくロボットです。

 

データとしては蓄積できても行動パターンや個性を伝える(分かってもらう)って人間以上に難しいことだと思います。

 

いくら技術が発達しても人間の感情をコピーすることは不可能で、個性をもった自分は世界に一人しかいないということを伝えてくれる一冊でした。

 

【購入情報】

作:ヨシタケシンスケ
出版社:ブロンズ新社
発行日:2014年9月