『でんしゃが きた』作:竹下 文子/絵:鈴木 まもる
竹下文子さんと鈴木まもるさんコンビによる人気の乗り物絵本シリーズ。
今回は様々な場所を走るたくさんの鉄道車両が、それぞれの地域の様子と合わせて描かれています。
それでは読み聞かせレビューです!
【読み聞かせにかかる時間】
□5分未満
☑5分以上~10分未満
□10分以上
ページ数:32P
【子供の反応】
車両によって色や形、走っている場所や利用する人が異なる様子が描かれているので見たことがない車両は特に「これはどこを走っているの?」と興味津々でした。
ほぼ満員で運行し続ける都会の列車は、群馬に住んでいて都会のラッシュを経験したことがない息子にとっては別世界のようでこんな電車には乗りたくないようです(笑)。
一応、電車?ということで遊園地を走る電車なども出てくるなど本当に幅広く“でんしゃがくる”ので飽きません。
【おすすめキーワード】
・いろいろな電車 ・特急列車 ・通勤列車 ・復興
【学べることキーワード】
・電車の特徴 ・走っている路線 ・運行を支える人たち ・復刻の光
【読み聞かせのポイント】
最新の新幹線車両も登場しますが、「今日で(運行)最後の特急列車」など長い間活躍してきた昔の車両をねぎらうように登場させるのも素晴らしいと思いました。
子供にとっては見慣れない車両でしたが、「これはお父さんが子供の頃よく走っていて、おじいちゃんと〇〇に行った時に乗ったんだよ」などと体験を話してあげると興味深く聞いてくれました。
乗ったことがある車両や、これから乗りたい車両などの話を広げてしても良いと思います。
【この本を読んで-大人の感想文-】
ハッキリとは書かれていませんでしたが、修復されたての海沿いの線路を走る短い車両とそれを待つ人達、海沿いのは重機の姿が。。。
そうです。あとがきには作中に登場する車両一覧が掲載されていますが、これは東日本大震災で被災された地域を走る三陸鉄道でした。
「(電車を)待っていたんだ。ありがとう」とありますが、電車に対してというよりも電車の運行に携わった全ての方への御礼でしょう。
新幹線のはやぶさなど人気の車両だけでなく、社会や生活を支える車両にもスポットを当てて登場させているのが本作の特徴です。
ひっそりと引退していく日本を支えた車両や忘れてはいけない震災のこと。
このような素敵な絵本を通じてしっかりと次世代に語り継いでいきたいと思いました。
【購入情報】
作:竹下 文子
絵:鈴木 まもる
出版社:偕成社
発行日:2013年09月