『かわ』加古 里子(かこさとし)
『からすのパンやさん』や『だるまちゃんとてんぐちゃん』シリーズでお馴染みの人気絵本作家・加古 里子(かこさとし)さんによる“川”を通じて自然や社会のことが学べる絵本です。
出版は1962年(!)と古いですが、今見ても面白さは褪せることなく、逆に昔の暮らしを学ぶ良いきっかけになると思います。
それでは読み聞かせレビューです!
【読み聞かせにかかる時間】
□5分未満
□5分以上~10分未満
☑10分以上
ページ数:24P
【子供の反応】
3歳の息子には難しいかな?と思いましたが、細かく書き込まれた川沿いの様子に引き込まれたようでした。
子供ながらに疑問に思っていたこと(川ってどこからきてどこに行くんだろう?)がなんとなく分かってスッキリしたような感じです。
絵柄も最近の絵本に比べるとリアルタッチなので独特ですが定期的に「最近読んでないから勉強する!」と持ってきます。
【学べることキーワード】
・水の流れ ・治水 ・環境問題 ・暮らし ・地学 ・地理 ・農業 ・林業 ・発展
【読み聞かせのポイント】
川の上流から下流にかけて変化していく風景が細かく丁寧に描写されていますので、本文では触れられていないものも見つけて読んであげると良いと思います。
本文を読むだけだと子供には少し難しいと思われるので、補足して分かりやすく解説してあげまましょう。
川の水はただ流れるだけでなく、人が使いながら海に流れていきます。
どのように使われるのか?使った水はどうなるのか?子供に教えてあげ・・・いや、是非一緒に考えてみましょう。
【この本を読んで-大人の感想文-】
古来より、人間は川の近くで文明を築き生活してきました。
現代社会において川の存在を意識しない地域も多くなっているかと思いますが、この本を読むと川あっての日常生活なんだなということを改めて実感します。
自然と人の関わり方、この本が出版された頃(高度成長期)の暮らしが同時に学べるだけではなく、この時代から環境問題についても提言していたことが本当に素晴らしい絵本だと思います。
【購入情報】
作・絵: 加古 里子
出版社: 福音館書店
発行日:1962年7月1日