『きかんしゃやえもん』作:阿川 弘之/絵:岡部 冬彦
なんと1959年発行で今も新版が買えるという超超ロングセラー作品です!!
やえもんのモデルとなった“1号機関車”国鉄150形蒸気機関車も埼玉の「鉄道博物館」に現存しています。
絵本の中では“新型”として登場する電気機関車もすでに引退しており、子供の服装や鉄道職員さんの身なりもかなり歴史を感じます(笑)。
親子3代~4代!?に渡って読まれている絵本はなかなかないでしょう。
それでは読み聞かせレビューです!
【読み聞かせにかかる時間】
□5分未満
□5分以上~10分未満
☑10分以上
ページ数:44P
【子供の反応】
一度乗ったこともありますが、自他共に認める“車派”の息子も間近で見るメカニズムと格好良さに引き込まれたようで蒸気機関車は結構好きなようです。
この本は私が選びましたが、トーマスのように顔があって擬人化されたキャラということもありなかなか真剣に聞いていました。(4歳には少し長かったかもしれません・・・)
鉄道博物館に行った時はまだ「やえもん」を知らなかったので、「これがやえもんに出てきた蒸気機関車だよ」と教えてあげられませんでした。
次に行く機会があれば教えて“鉄派”にと企んでおります(笑)。
【おすすめキーワード】
・蒸気機関車 ・電気機関車 ・国鉄150形蒸気機関車 ・EF58形 ・EH10形 ・れえるばす ・昔の服装
【学べることキーワード】
・戦力外通告 ・いつまでも現役でいたい気持ち ・再雇用 ・第二の人生
【読み聞かせのポイント】
昔の口調というか、今ではあまり言わないような言い回しが使われているので慣れないとつっかえます(苦笑)。
その辺は同じくロングセラーの『しょうぼうじどうしゃじぷた』に通ずるものがりますね。
正直、昔の感覚と感性は違うので「あ~ここって昔の子供だったら笑うところなのかな」というところもあります。
私自身が面白さが分からず読み方もたどたどしかったので、今の時代に生きている息子には全くウケていませんでしたがそれは当時の子供に向けて描かれた本作であれば仕方がないでしょう。
それも当時の流行を知るうえで大切かと思います。
2000年代になってCG映画化されたりもしましたが、原作は時代に合わせて変えなかったのは凄いですね。
【この本を読んで-大人の感想文-】
小さい頃、電車好きの自分にとって憧れであり連れて行ってもらった時はじっくり見ました。
その入口前に飾ってあった“やえもん”の蒸気機関車は今でもよく覚えています。
30年以上前の自分が見ても「昔の絵本だな」と思いましたが、今でも交通博物館に飾られていた勇士と共に心に残っているのは本当にロングセラーの名作なんだなと実感します。
内容とは関係ありませんが、価格低減の工夫として表紙の見返し部分に本文が記載されていたり、白黒の二色刷り頁と多色刷り頁が交互になっていたりと特殊な造本形態になっています。
表紙の見返しの部分から始まります!無駄がないですね。
白黒とカラー頁が交互に!
最初読んだ時は何か深いメッセージ性があるのかと思いました(笑)。
【購入情報】
作:阿川 弘之
絵:岡部 冬彦
出版社:岩波書店
発行日:1959年12月